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経営論集

2007年08月
第30号 訓練された頭脳~事実に基づく~2007.08.30 (木)

ビジネス上、『事実(現物)に基づくこと』が極めて重要です。『これがアメリカのホームセンターか。日本のホームセンターとは、まったく違う。家が一軒、建てられる品揃えになっている』
『オープンモールというのは、駐車場内を自由に運転して、店舗の前に駐車ができなければならない。日本では敷地の制約があり、オープンモールをつくっても、駐車はそのままになってしまう可能性が高い。日本でオープンモールは困難だなあ』
『日本の郊外は街外れだが、ロスではダウンタウンから40分以上離れている所が、郊外になるのか。同心円的に商圏が設定されているのだ。良い家が多く、郊外にミドル以上の人々が暮らしているのだ』
『このモールには百貨店が7つも入っているのか。すごいなあ。しかし、7つの百貨店が役割(品揃え)をどのように分担しているのだろうか? どのように棲み分けをしているのか調べてみよう(2日間かかりました)』
私は、30歳台の後半から身銭を切って、
その頃のテーマであった流通に関して、現物(事実)を見るようにしました。
そして、日米流通比較論!を行なっていました。
ここから、業態論、オペレーション、カテゴリー設計、品揃え、接客、顧客管理、店舗作り、物流などへと考えを拡大していき、流通の本を何冊かモノにすることができました。
その根本には、事実(現物)を確認するということがありました。
この事実(現物)には
①行動(仕事ぶり)
②数値(予算、数値計画、採算、仕事の結果、成果、現状)
③現物(事実、実際)
④発言・発表(戦略、プロジェクト関係、報告・連絡・相談)
などがあります。
事実は5W2Hによって示されるものですが、
How much(どれだけ、いくつ)という事実を知らせてくれるものが『数値』です。
『数値』には、『何を(What)』という項目があり、
『いつ(When)』という年月日がついています。
さらに、『誰が(Who)』という形で部門、支店、部・課、営業所、個人名がついています。
『Whom』は目的ですが、それはデータの種類によって示されています。
数値という事実で押さえられていないのは、
『How(方法・対策・戦略など)』と『Why(原因・理由・動機など)』です。
1月29日に淡路島の会社に出向きました。
そこでやっていたことは、
事実に基づいて商売を行なっていこうということでした。
データによって
①来店客数
②買上点数
③平均単価
④品群別売上高・買上点数・平均単価
⑤在庫回転数
⑥交差比率
⑦受取債権回転日数・支払債権回転日数
⑧・・・・
というように様々な事実を確認することができます。
上記について、自分がコントロールすることが可能な課題が
自分の最低限の仕事範囲になるのです。
『来店客数×1客当り買上点数×1品平均単価』が小売業・飲食業の売上算式です。
これを日別・曜日別に掴んだ場合、
皆さんなら、ここからどのように仕事を展開していきますか?
多くの人は、このデータを未来(予測)に生かそうとします。
つまり、日別・曜日別に
①来店客数が増える対策を講じつつ、来店客数予測を行う
②品揃えを充実して、1客当りの平均買上点数が増えるように対策を講じつつ事実を確認していく
③取り扱いをしていなかったベタープライス商品を品揃えして1品平均単価の向上を狙う④③とは逆にモデレート、チーププライスの商品を増やして、平均単価を意識的に低下させて、買上点数増をはかって売上高の向上をねらうという対策を講じる
といったことを行うようになります。
これらはコントロールが可能であり、当然、自分の仕事範囲となるものです。事実に基づいて仕事を行い、
その事実から対策を立て未来(予測)に活かし、
自分が期待・想定している結果を導き出すことが重要だと思います。
そして、その期待・想定していた結果が、
未来に対する事実となっていくのです。

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第29号 訓練された頭脳~『○○○だからできない発想』の排除~2007.08.29 (水)

1990年代の初めに『パズル式の駐車場』に関する販売代理店の依頼が
私の顧問先にありました。
代理店になるか否かを決めるために、
顧問先の社長と私は『まずは、市場の声を聞いてみよう』ということで、
あるメーカーにプレゼンテーションを行いました。
問題はその回答のあり方でした。
取締役事業部長が部下を3名従えて、
当社がパズル式の駐車場事業に取り組めない事情を説明されたのです。
この事業部長は一流の国立大学の工学部を卒業しており、
その説明は、極めて論理的であり説得力のあるものでした。
その論理は『○○だからできない』『○○○という理由によってできない』というもので、
その説明は50分にも及ぶものでした。
私は事業部長の断りの説明を聞きながら、
①かつての名門企業には、このように一流大学からの入社があったのだ
②『あれをしてはいけない、これをしてはいけない』という制約が多く、この人もいつの間にか『○○○だからできない発想』を強いられてきたのだ
③頭の良い人が、後ろ向きに能力を使っている。これは悲惨なことだ
④この事業部長の人生は報われるのだろうか?
といったことを考えていました。
『できない理由』は次のようにたくさんあります。
①技術・・・・・・・『技術がないからできない』
②資金・・・・・・・『資金がないからできない』
③問題の構造・・・・『問題が複雑すぎて解決できない』
④採算・・・・・・・『採算に疑問があるからできない』
⑤所要時間・・・・・『時間がかかりすぎるからできない』
⑥優先順位・・・・・『優先順位が低いからできない』
⑦企業の格・・・・・『当社は中小企業であるからできない』
⑧人材・・・・・・・『人材がいないからできない』
⑨困難性・・・・・・『うちでは無理だ』
⑩市場・・・・・・・『ニーズがつかめないからできない』
これらの理由のうちで、やらないことの正当な理由になるものは何でしょうか?
私は⑥の『優先順位が低い』だけだと思います。
皆さんはどうでしょうか?
他の問題を整理すると、
①技術、②資金、⑧人材の問題は、
調達する、あるいは社内で養成すれば問題は解決されます。
③問題の構造、⑨困難性、⑩市場の問題は、
分析し、整理し、対策を講じれば解決できます。
④採算の問題は、
調査し何度もシミュレーションを行い対策を講じれば、採算に乗る可能性があります。
採算に乗らない製品・サービス・ビジネスの開発は、当然、取り組むことはありません。
⑤所要時間=期間の問題は、
製品・サービス・ビジネスの開発体制とプロセスの設計とによって解決されます。
⑦の企業の格などを云々するのは中小企業病です。
困難な課題を解決することによって、中小企業から離脱できるのです。
多くの場合、中小企業あるいは経営者は、
『できない理由』を自分で作り出し、臆病で怠惰な自己を隠蔽しているのではないでしょうか?
ある経営者は
・製造革命
・営業革命
・品質革命
・開発革命
・業務革命
といった旗印を掲げ、果敢に戦っておられます。
この戦いは、社内にある『○○○だからできない病』を一掃していくことになるのです。
この提案は、社員に『○○○をやっつけるのだ。解決するのだ』という意識革命を
提案していることになるのです。
ビジョナリー・カンパニー☆は、
『困難な問題をそれも2つ以上、同時に解決した経験をもっている』
ということが書かれています。
1つの問題に対して、困難を感じ尻込みしていることは許されないことだと思います。
『○○○だからできない発想』を駆逐することが大切だと思います。
突然、三国志の話になりますが、
袁紹は代々続いた名門の出身でした。
名門を慕い、多くの人がそれになびき、戦わずして大きな領国を支配していました。
曹操は、腐れ者と蔑まれる宦官を祖父に持つ家の出身でした。
このため戦い抜いて勢力を築くことになったのです。
そして、3分の1の兵力で袁紹を破っていったのです。人の能力は『○○○だからできない』と考えるか、
『○○○をやっつけよう』と考えるかによって決まると思います。
解決の歴史が、人の歴史ではないでしょうか?
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☆ ジェームス・コリンズの著書

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お知らせ2007.08.28 (火)

経営論集は、ダイジェスト版になっています。
元原稿は『苦言・迷言・提言』といいまして、服部吉伸が不定期に配信しています。
配信先は、弊社のクライアント様、服部吉伸の知人・友人・教え子達であり、
様々な分野で活躍されている方たちです。
現在、元原稿である『苦言・迷言・提言』は、A4で400ページに達しています。
元原稿をご要望の方は
◆氏名
◆会社名、部署・役職名
をご記入の上、服部吉伸までメールにてご連絡ください。【メール送付先】
服部 吉伸<hatto.suru@nbcjp.com>

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第28号 訓練された頭脳~やっているうちにプロになる~2007.08.28 (火)

同じように仕事をしているはずなのに、
どうしてできる人とできない人とに分かれていくのでしょうか?
できる人を、ここではプロと呼んで論を進めていきます。
プロになる道は、基本的には仕事をやっていく以外にありません。
問題はどうすれば仕事をやりながら、
優れたプロになれるかということです。
それは他人よりも
・早いスピードで成長する
・他人よりも高い次元に到達する
・他人よりも深く、広い知識を習得し、応用力を獲得する
ということに尽きます。
他人よりも速いスピードで成長するためには『集中』がポイントになります。
徹底してその分野の文献を読み、ケーススタディをこなし、
先輩、有識者などにくらいついて教えを乞うのです。
『集中』のために、経営戦略、商品開発、ブランド戦略、財務、システムのように分野を絞って本を読む、研究することがポイントになります。
何度も言っていることですが、
マーケティング☆は幅が広すぎるので、
商品開発、ブランド、営業、流通など研究領域を絞って取り組むことが必要です。
他人よりも高い次元に早く到達するためには、
テーマを持ち、それを追求することが非常に重要です。
選択したテーマによって次元が決定されることがあり、
他人よりも高い次元に到達することが困難な場合もあるかもしれません。
テーマには
・管理会計を応用した製造組織のあり方
・わが社のブランド戦略
・わが社のビジョンと中期経営計画
・次世代技術の開発(ちょっと大きすぎますので、新技術の開発、これも大きすぎますので、A技術を進化させる程度が適当か・・・)
・営業パターンの開発
・IT時代の報告書
・新業態開発
といったものがあります。
テーマは会社内での職位によって、期待されている水準が決ってきます。
テーマを持つことによって、研究心が涌いてくるものです。
また、自分の価値を最大化できるのです。
なぜなら、『人間の値打ちは、学歴、過去の業績、閨閥などではなく、今、取り組んでいる課題の値打ちによって決まる』からです。
他人よりも深く、広い知識を習得し、応用力を獲得するということは
・技術者・研究者が、市場の知識、マーケティング(幅広いので、この中で絞る)などの知識を獲得し、それを技術開発・研究に活かす
・営業が、財務の知識を獲得し、経営に貢献する営業のあり方を考える
・製造が財務、市場の知識を獲得し、利益の出る体質に変革していく
といったことを表しています。
『あの人は頭が固い』といったことがよく聞かれます。
それは1つの専門分野の知識しかないことから、
発想の切り口が固定化している、
切り口が少ないということを意味しています。
また、応用がきかないことから『頭が固い』と言われます。
私の経験からしますと、
応用力を獲得する最も早い方法は、
ポーターの『競争戦略』を勉強することです。
それはポーターの理論は、
①『買い手の交渉力』
②『売り手の交渉力』
③『業界内の敵対関係の強さ』
④『代替製品の脅威』
⑤『新規参入の脅威』
といった形で市場、競合などの分析を余儀なくされるからです。
これを5フォース分析と言います。
ポーターの『5フォース分析』は、
市場に関する分析であり、経営に携わるすべての人々に要求される分析なのです。
ポーターの戦略理論は幅が狭く、
また、この理論だけで経営戦略を確立することには疑問があります。
さらに5フォースだけではなく、
⑥『協力業者の支援』
⑦『その他市場の変化』
の分析も必要なのではないか?というように5フォース自体にも疑問があります。
しかし、市場分析に関しては優れた理論になっています。
合わせてポーターの『バリューチェーン理論』を理解しておくことも大切です。
高校・大学時代に勉強ができたのに実業の世界で伸びない人がいます。
この逆の人もいます。
そして、35歳を超えてくると明確に必要とされるものが、
課・部・事業部の戦略を確立し、予算を編成し、
それを実現するために、課題をソリューションする能力です。
また、組織を前進させるマネジメント、リーダーシップ能力も求められます。
これらの能力は、
①1分野に集中して学習し、専門分野を強化する
②優れたテーマを仕事上で持ち、それを実現・解決していく
③ポーターの5フォース理論を活用して応用力を養成する
といったことによって、具備していくことができます。
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☆ マーケティングはSTBR5P、セグメンテーション、ターゲティング、ブランド、リサーチ、ポジショニング、プロダクト、プライス、プロモーション、プレイスという極めて広い分野にわたっています。よく『マーケティングの視点から言うと・・・』といった使い方がされますが、意味が不明です。マーケティングという言葉ではなく、調査、商品開発、価格戦略、流通、販売・営業などの用語があるのですから、キチンと使い分けをすべきです。マーケティングという用語を使用している人で、実力のある人にお目にかかったためしがありません。

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第27号 訓練された頭脳~複合能力~2007.08.27 (月)

『財務』の知識からのみ発想すると、
多くの課題について、良い《解》はほとんど得られません。
なぜなら、『やめなさい』ということになる場合が多いからです。
しかし、『財務』の知識と『商品開発』のスキル・ノウハウを持つ人が、
『商品開発』のプロジェクトに携わると
①開発商品の新規性・独自性、収益性、拡張性・伸張性、競争優位性、市場性などを慎重に判断する=商品開発をすべきかを問う
②開発資金、上市資金がどれだけいるかを計算する
③開発費の捻出方法を考える
④開発商品の上市後の財務への影響(キャッシュフローの減少と増加)を計算する
といった切り口で事態を見るようになります。
つまり、財務の知識と商品開発のスキル・ノウハウを
商品の市場性、収益性などに応用しようとするのです。
『財務』と『商品開発』の知識にさらに『市場』の知識が加わると
⑥市場の求める機能、材質、寿命、使い勝手などをもった商品開発
⑦上市後の商品の販売動向
⑧商品の価格政策
⑨市場での戦い方
⑩ライバルのリアクションの予測とその対策
⑪以上による財務への影響の理解
などを見通すように努力します。
このように『財務』×『商品開発』×『市場』という3つ程度の知識・スキルがあって初めて、
商品開発の仕事が『ちょっとましな水準でできる』ということになるのです。
『専門バカ』という言葉があるように、能力は複合化されて
初めて応用ができ社会に通用するようになるのではないでしょうか?
失礼な言い方ですが、
多くの税理士が経営コンサルテーションをできないこと、
逆に優れた技術者が市場をよく知っているということの
大きな要因が端的に『能力の複合化が必要』であるということを表しています。
もちろん、営業、財務、設計、製造、人事、物流、システムなどは
高い固有技術、専門性が要求されます。
ところが
・営業90点
・商品開発80点
・財務80点
・設計50点
・製造50点
・人事60点
・物流70点
・システム60点
という能力を持った人が仮にいたとしたら、
極めてマルチ人材であり有用な人であると思われます。
この人は、効率的な学習方法を知っており、
まずはどの仕事を任せても、十分にこなしていくことができる可能性が高いのです。
このような『複合能力』はどのようにすれば身につくのでしょうか?
複合能力は
①自分の職務に関すること(例えば、製造、営業など)で80点以上の専門性(会社内で一番)を身につける
②その専門性に財務、マーケティング、人事などの異分野の専門性 (原価計算、財務諸表からの分析、市場開発、商品開発、価格政策など)を持ち込んで、自己の専門分野と『掛け算』をする(掛け算される専門分野は、たとえば、製造×財務やマーケティング、営業×財務・物流などという関係になる)
③②によって、財務、マーケティング、人事などの専門分野の必要性を感じより勉強する
以上の3点によって具備されていくのだと思います。
複合能力とリーダーシップ・マネジメント組み合わせることで
①部門戦略を形成することができる
②部門に対して要点指示が出せる
③マネジメントがきちんとできる
といったことが可能となります。
マネジメントの本質は『他人を通じて業績を最大化させる』ということであり、
その基本に『部門戦略』『戦略の大きさ』『戦略の分配』『部下の能力の引き出し』『課題のソリューション』『ビジネスを具体的に語る』といったことが要求されていると私は考えています。

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第26号 訓練された頭脳~ビジネスを具体的に語る~2007.08.23 (木)

私がよく持ち出す事例に、私が営業担当者時代の上司と私の会話があります。
上司:『服部君、今月どうやねん?(売上予算は達成できるはずだよねと問い合わせている)』
服部:『今月は320万円足りません(未達です)』
上司:『君は何を言っているんだ。月初からやる気がないのか!』
服部:『???????』
不幸な会話です。
服部は今月の売上の最終見込みを月初に正しく申告しているのです。
服部の上司は、今月の売上予算を服部が達成するであろうことを期待して問いかけているのです。
この場合、服部はあらゆる対策を講じ、
社内の多くの商品担当者の力を借り、かつ自分が最大限に行動したとしても、
予算が320万円未達になることを予測しつつ、
来月、再来月、それ以降に対する対策を講じているのです。
なかなか12ヶ月連続して予算を達成することはできません。
先手、先手と手を打ち、全力を尽しても未達の月もありうるのです。
服部の上司には、
『見込み』というものは月末近くになってから明確になるものであるという認識があり、
ともかく部下を頑張らせようとしているのです。
それを月初に今月は320万円未達であるなどということを申告したため、
上司は怒ってしまったのです。
しかし、この上司はビジネスを具体的に語るということを怠っています。
また、リーダーシップもマネジメントも不在である可能性が高いのです。
ビジネスを具体的に語るということは数値の裏づけがポイントになります。
次に必要なことは、上記の事例の場合当月だけではなく、来月、再来月の見込みはどうなのかと服部の上司は、服部に質問すべきなのです。
これによって、展開ストーリーができていくのです。
つまり、服部の上司は当月の売上だけを気にしており、『展開ストーリー』がないということになるのです。
次いで、必要とされるものは何をマネジメントするかということです。
それは、戦略、取り組み課題などに相当します。『数値』×『展開ストーリー』×『戦略・取り組み課題』の3点を押さえると、
ビジネスを具体的に語るということになるのです。
例えば、新規開拓を事例にとりますと
①先月の新規開拓の訪問数は34
②先月の新規開拓の売上高は325万円
③新規開拓の累計売上高では1.350万円
④新規開拓の主な商品別の累計売上高は、A商品で334万円、B商品で266万円
⑤当月の新規開拓訪問予定数は43
⑥なお、新規開拓によるチャネル別の売上高は甲チャネル755万円、乙チャネル595万円
といった報告を行なうとビジネスを具体的に語ったことになるのです。
この中には、訪問数、全体の累計売上高、商品別の累計売上高、チャネル売上高の報告、来月の訪問予定数などがあることから、展開ストーリーが存在しているのです。
そして、新規開拓という重要な課題を報告させていることから、
マネジメントが存在していることになるのです。
この場合、新規開拓訪問数、新規開拓売上高、新規開拓商品群別売上高、新規開拓チャネル別売上高などがチェックポイント(点検点)になるのです。

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第25号 訓練された頭脳~結論を先に言う!~2007.08.21 (火)

あるベンチャー企業が、繊維会社を退職した人を『転職紹介企業』を介して採用しました。
採用の理由は、『多くの得意先を知っている』ということであり、
この人の採用に対して、
『新規開拓を行なってくれる』『新しい売上を獲得してくれる』
という大きな期待がありました。
先に結果を述べますと、この中途採用者には9ヵ月後に退職してもらいました。
私は、ボランティアでこのベンチャー企業の経営支援を行なっていました。
ベンチャー企業の社長から、『多くの得意先を知っている人を採用した』と聞いていました。
この中途採用者を採用した翌月に私は、
このベンチャー企業を訪問し『営業会議』を開催しました。
その席上で『先月の営業活動の結果報告』をこの中途採用者に求めると、
彼はとうとうと
・自分の経歴を述べる
・営業に対して、どのように考えているかを述べる
ということを20分間にわたって行ないました。
その話には他人をうならせるようなものは何もありませんでした。
私は『この人は、口舌の徒であり、働かない人である』ということを
彼が喋り出した直後に感じました。
なぜなら、先月の営業の結果報告を求めているのに、
自分経歴や営業に対する考え方を述べ始めたからです。
私は『それで先月はどのような営業活動をしたのですか?』と問いました。
すると、この中途採用者は再び延々と
以前に勤務していた会社のプロジェクトの話などをからめながら、
自分がいかに価値ある人材であるかを語り出しました。
私は彼の発言をさえぎり、具体的なことを質問しました。
その質問は
・先月の得意先への訪問数は?
・進めた商売は何ですか?
・売上高は?
といったことでした。
すると、彼は手帳を出して訪問数を勘定し始めたのです。
私は彼が勘定し終わるのをじっと待ちました。
その回答は8訪問でした。
1ヶ月間で、僅かに8訪問だったのです。
ベンチャー企業の経営にはスピードが必要であり、
また、アントレプレナーの考え方に共鳴し燃えて働く人が求められているのです。
少なくとも訪問数は100を楽に越えていなければならないのです。
この中途採用者は
・何ヶ月間もなかなか営業に出向かない
・社内でブラブラしている
という状態が続いたのです。
私はベンチャー企業が採用する人材でないことを社長に告げ、
即刻退社してもらうべきだと社長に申し入れをしました。
社長はこの中途採用者に
『あなたは多くの得意先と懇意にしており、売上につながる営業ができると言ったではないですか?』と、この中途採用者を問い詰めました。
すると『私は得意先を知っていると申し上げたのであり、そこと取引をするとは言っておりません』という返事が臆面もなく返ってきたのです。
確かに、この中途採用者が面接で言っていたことは
『得意先を知っている』ということだったのです。
この人が言うには
・有名アパレルメーカー、百貨店などと懇意にしている
・新規取引が開始される
・売上が上がる
などということは採用側の勝手な幻想であるということでした。
この中途採用者は、このような奇弁を平気で言う人だったのです。
ここで本稿のテーマについて考えていきます。
上記のような能力のない人、あるいは課題に取り組んでいない人は、
絶対に『結論が先』という論理で語ることはしません。
なぜなら、『結論=実行・行動したこと=成果』がないからです。
ビジネスの世界では
・結論を先に言う
・ビジネスを具体的に語る
ということが重要です。
できなかった事情や背景のおしゃべりに付き合わされることはたまらなく苦痛なのです。
この中途採用者は働かないまま9ヶ月も居座り、
ベンチャー企業の健全な成長を妨害することとなったのです。
この話にはまだ続きがあります。
この人が退職した後、
彼のロッカーや事務所の隅から彼が納品したはずの商品が出てきたのです。
彼は営業活動の結果を問われることから、
架空の売上を計上するといったことまでやっていたのです。
このような輩が企業内で棲息できる理由は、
『結論=結果=目的×優れたプロセス』を問わない仕組みの中で暮らしていた、
また、ビジネスを具体的に語ることのない組織の中で暮らしていたからではないでしょうか?
また、結論を先に言うことを求めない管理者が一部にいます。
この管理者も能力のない人です。
優れた経営者・経営幹部・管理者は、
部下からの報告は結論が先になっています。
そして必要な場合のみ、
事情、背景、原因などを聞き出し、ソリューションへのアドバイスを行います。
このベンチャー企業はその後、
このこともあって東京からの撤退を余儀なくされました。
中小企業は、そうは多くの人を雇用できません。
このため、営業担当者の採用を誤ると成長自体に
ブレーキがかかってしまうことになりかねないのです。
履歴書・経歴書に書かれているのは、
キャリアであって能力ではありません。
キャリアから能力を評価するということが求められているのです。
この能力を発見するためには
①プロジェクトの成果を売上高、利益などで問い合わせる
②『貢献』と書かれているキャリアについても定量的な成果を問い合わせる
③システム、リエンジニアリング、仕組みなどを生み出したキャリアについては、
その結果、社内でどのような変化が得られたかを問う
といったことがポイントになります。
結論を先に言うしつけを行なっていると、
成果を語る必要があることから一生懸命行動するようにもなっていくのです。

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第24号 訓練された頭脳~語ることと書くことの統一!~2007.08.20 (月)

まず、簡単な問題をソリューションしておきましょう。
それは『文章が書けないということは、考えがまとまっていない』ということなのです。
『稚拙な文章しか書けないということであれば、それは考えていることが稚拙だ』
ということになるのです。
書けないということは絶対にありません。
喋っていることが文章になるのですから・・・・。
逆に発想すると、今誰かの前で語ったことが文章そのものなのです。
『書けないということは、考えがまとまっていない』ことだと述べました。
では、考えをまとめるためにはどうすればよいのでしょうか?
私は、パソコンに小さな『メモ』をとるようにしています。
昔は、京大型カードを使用していました。
カードが高価なので、自分で10万枚印刷してしまいました。
それをパソコンに置き換えた時にカードを廃棄しました。
メモには、
①1課題につき1つのメモをとります。
例えば、『M&A』という用語について、1枚のカードを作成するという形式です。
これに
②用語の意味
③事例
④語源
⑤引用文献
などを書いていきます。
ただ、これだけのことです。
このメモが貯まってきますと、
『ソロソロ本にしようか』ということになるのです。
私は、本を書くために『メモ=原稿』を書いているのではありません。
自分の実力を高めるために、
経営コンサルタントとしての能力を維持し高めるために、
『メモ』を取り、知識を増やし、スキルを養成しているのです。
そして、語ることと書くことを
『分かりやすい』『理解しやすい』というキーワードで統一しようとしているのです。
皆さんももっと書いてください。
書けば考えをまとめようという衝動が走ります。
すると、『いずれにしても』などという言葉を使用して
その場を取り繕う粗雑なことはなくなります。
いつも、適切・的確な指示を出せるようになります。
この点、パソコンのメールは随分役に立つと思います。
このメールを超えて『メモ』をとるようにしてください。
自分の考えをまとめる方法がメモ以外にあるのなら、
こっそりと私に教えてください。
他人と違う努力をしましょう。
つまり、他人と違う方法を編み出そうということです。

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第23号 訓練された頭脳~大人の頭になる!~2007.08.07 (火)

私は立命館大学の教授をしている時に
学生に『早く大人の頭になれ』と言っていました。
学生に対して
『論理展開力を養成したり、理論を習得したりするためには、難解な本にチャレンジし、
それを読了することが大切だ』と説いていたのです。
つまり、難解な本を読了し論理展開力を養成することをもって、
『大人の頭』と定義していたのです。
このことからすると、18歳でも大人の頭脳になれるのです。
難解な本から逃げ回っていたら、
40歳、50歳になっても大人の頭になっていないということです。
難解な本は、論理展開力の養成に役立ちます。
私が難解だと感じた本は
①ジャズより他に神はなし(平岡 正明 三一書房 1991年)
②資本論
③知識創造経営
の3冊でした。
『資本制的生産様式が支配的である諸社会の富は、一つの膨大な商品集積として現象する』
というのが資本論の書き出しでした。
私が資本論を読み始めた時、
・資本制とは?
・資本制的とは?
・生産様式?
・支配的?
・諸社会?
・富?
・商品集積?
・現象する?
というように一行目からちんぷんかんぷんでした。
これではいけないと思い、
大阪市立大学刊行の経済学辞典を購入して辞書を引きながら読みました。
半年以上かけて『資本論』に没頭して、艱難辛苦の挙句に読了しました。
しかし、さっぱり分かりませんでした。
奇異に感じたのは、経済学の本なのにどうして革命を論じているのだろう?
ということでした。
資本主義が自壊するようなことが書かれていたのです。
この点については、梯明秀(立命館大学経営学部教授)の本を読むと
『資本論の理論的純化が必要である』ということが書かれていました。
次にケインズを読み、
さらに野呂栄太郎、服部之総、荒畑寒村、大内兵衛などを読み、
日本資本主義発達史論争に踏み込んだことを覚えています。
そして、『もし革命があるのなら、社会主義革命であり、
共産党が唱える二段革命論は間違いである』という結論を出しました。
私は理論的に共産党に組みしなくなったのです。
それからは、吉本ばななの親父である吉本隆明もよく読みました。
そうすると、ますます共産党の考え方から離れていきました。
間違えないで下さい。
私はどのセクト(政治的組織)にも加わらず、
いわゆる学生運動というものをやっていません。
ただし、社会人になってから労働組合運動を5年間やりました。
その後、経営コンサルタントになることを決意し組合からはスッパリ離れました。
私は、私個人の立場で組合活動をしていました。
ある日、京都支店で共産党を支持する人達がビラ撒きをしました。
会社が、ビラ撒きが政治活動であると書記長である私に抗議してきましたが、
『昼休み中に会社の敷地外で行ったものであり、何の問題もない』
と私は突っぱね会社からの抗議をはねつけました。
するとリアクションが大きく
『服部は実は共産党かもしれない』と言われたりもしました。
ビラ撒きをした彼らは組合員であり、
政治活動の自由も守る必要があって、上記の主張になっていたのです。
話を訓練された頭脳に戻しましょう。
以前、中小企業大学校関西校には『後継者コース』がありました。
理系を出た28歳の後継者が毎日、日経新聞と『にらめっこ』していました。
『初めは日経新聞がちんぷんかんでしたが、4~5ヶ月経過した時点で
ようやく意味が分かるようになりました』とこの後継者が言っていました。
彼は『後継者コースに行って最も役立ったことは、日経新聞が読める力がついたことです』
とも言っていました。
この日経新聞の「にらめっこ」も大人の頭脳になることに一役買っています。
上に述べた『論理展開力』×『基本的な用語の理解』というものが、
大人の頭脳の最低限度の条件ではないでしょうか?
勉強に『今さらはない』と思います。
私は学生時代に経済学部に出かけて、
日本経済論の手島正毅教授に師事しました。
手島先生授は満鉄に勤務し、
その後、横浜事件に連座して逮捕、投獄された経歴のある人です。
手島先生は『40歳を過ぎてから勉強した』と言われていました。
当時、『傾向か段階か』という論争があり、
段階説を唱えて『国家独占資本主義論』の一方の旗頭になるほどの論客になっておられました。
この頃の立命館大学は
奈良本辰也、林屋辰三郎、星野芳郎、北山茂夫、高橋和己、梯明秀、牛尾シンゾウ、
名和献三、手島正毅、桑原武雄、末川博などそうそうたる教授陣でした。
私たちは『教授は一流、学生は三流』といって揶揄していたものです。
学ぶということは楽しいものです。
ドンドン自分が変化していくからです。
これは『自己組織化』に該当するのです。
『内破』を起こそうではありませんか。

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第22号 訓練された頭脳~箇条書き発想~2007.08.06 (月)

職場にある問題点を300挙げなさいという指示が出されたとしましょう。
多くの人は、問題点を挙げる前に
・そんなに問題があるはずがない。無理だ。
・問題を挙げてどうするのだ。無駄だ。
と考えるかもしれません。
職場にある問題を300挙げることは、無理でもないし、無駄でもありません。
多くの人にとって、
能力開発につながりソリューション力を向上させていく『題材』は、
自分が勤務している会社であり部門であるのです。
他にも、所属している業種・業界が抱える共通の問題点を300挙げてみる方法もあります。
営業という職場にある問題を探すと次のようなものが挙げられます。
①全体の粗利益率が低い
②○○品群の粗利益率が低い
③△△商品の粗利益率が低い
④◇◇君の粗利益率が特に低い
⑤見積りの一部に極めて粗利益率の低いものがある
⑥仕入先Aの商品の粗利益率が低い
⑦○○品群は商品回転数も低い
⑧最も交差比率が低い品群が○○である
⑨粗利益率の低い○○品群の売上高が18%も占めている
⑩粗利益率の高いB、C、D品群の売上構成比が4.1%、3.3%、2.4%と低い
⑪甲得意先の粗利益率が11%と極めて低く、かつ、回収が167日と極めて悪い
⑫乙得意先は、粗利益率が13%程度であるのに、協賛金、リベートを求めてきている
⑬◇◇品群の商品回転数は高い
⑭粗利益額が最も大きな品群は、◎◎品群である
⑮・・・・
このように営業上の問題点をドンドン挙げることができます。
問題点が枯渇してきたら、切り口(視点・始点)を粗利益率から
売上、営業活動、得意先管理、得意先への情報提供、ナレッジ・マネジメント、人事評価、クレーム、サービス体系、データ、市場、商品・製品、チームワーク、予算編成、営業戦略、設備投資、管理会計、プロジェクト、営業パターン、営業ツール、組織、ITのプラットフォーム、マネジメント、リーダーシップなどへ転換していけば、問題点は際限なく出てくるのです。
ここで理解できることは
①1人ブレーンストーミングを行なう
②切り口(視点、始点)を数多く持つ
③1つの問題だけを取り上げ、簡潔に表現する
という3つが鍵を握っているということです。
私はこれを『箇条書き発想』と呼び、
広く実行されることを提唱しています。
ビジネスマンは気付かなければ、
戦略も立てられないし、重要な課題に取り組むこともできないし、
部下を指導することもできないのです。
つまり、どうしようもないのです。
また、より広く、より鋭く気付くためには『視点・始点』が必要とされます。
さらに、表現は他人が理解できるものでなければならないのです。
気付かなければ、
マネジメントもできないし、リーダーシップの発揮のしようがないのです。
事業部戦略も経営戦略の形成など、遥かに遠くできないことなのです。
考えるということは
・多くのことに気付く
・多くの問題点を整理する
・系統的、論理的に思考する
・ソリューションする
というように多様な思考方法をもって行なうものであると思います。
頭がそんなによくないのに、
何とか経営コンサルタントという職業をやっているのが私なのです。
私は、自分の頭脳を『気付く』『整理する』『論理的に思考する』『《解》を創出する』という形で
訓練してきたのです。
経営者・経営幹部・管理者は自分の頭脳を訓練することが、
事業部戦略、経営戦略の形成にあると捉え、
より多くのことに気付き、それを整理し、論理的に思考し、
かつソリューションすることをお奨めしたいと思います。
大学の先生やシンクタンクの研究員などとは違い、
改革すべき現実、つまり『生きた経営』に携わっているのです。
我々は極めて恵まれた環境にあるということを自覚し、
訓練された頭脳になるように目の前の現実と格闘していただきたいと思います。

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第21号 訓練された頭脳~実践で頭脳を訓練する~2007.08.01 (水)

訓練された頭脳とは
①現場を見ると数多くの問題点に気付く(気付き力、多くの視点から現実を観察する)
②問題点を整理できる(分析力、整理力、体系化力)
③何が重要であるかを判定できる(重要度の判定)
④問題が何によって構成されているかが分かる(構造的理解、論理構成力)
⑤問題をソリューションできる(《解》を導き出す思考ステップの設計、分析力、手法の活用力)
⑥分かりやすく話す・書く・説明する
⑦タイミングをはかる
⑧先攻課題、後攻課題が区別できる
⑨物事の当否を判断できる
⑩先見性を養成するためには何を手がかりにすればよいかが分かる
といったことを表しています。
例えば、営業の現場に対して
・粗利益率は?
・在庫の内容は?
・商品回転数は?交差比率は?回転交差比率は?
・正しい訪問数が各得意先に対して行なわれているか?
・商談数×商売の数・提案数は多いか?
・見積りは何件か?受注は何件か?どの分野の見積りが強いのか・弱いのか?
といった視点を持つことなのです。
ここにリーダーシップの原点があります。
問題を発見できない人は、リーダーにはなれません。
つまり、自社・自部門がどのような状況下にあり、
どのような状態にあるのかが分からない人は、
リーダーになれないということなのです。
このような『問題発見の視点・始点』は、
訓練によって意識的に養成していく必要があります。
視点が始点になるのです。
次に問題を整理することが求められます。
上記の事例で言うと、
・利益
・在庫
・営業活動
・商談
・見積り
というタイトルで多くの問題を整理することになります。
この整理は、分類であり実践の中で確立されていくものです。
実践=訓練なのです。
第3ステップとして、
全体を俯瞰し、何が重要であるかを判断し、
解決に向けて優先順位をつけることが求められます。
この重要度の判断は
・縦軸に・・・経済効果
・横軸に・・・解決の緊急度、逼迫度
を取り、マトリクスを作成すると分かりやすいと思います。
何百とある問題をマトリックスにプロットしていくのですから、
自然に訓練されていくことになります。
第4ステップでは、
問題が何によって構成されているかを分析する必要があります。
問題が消費財の在庫問題であれば
①死に筋
②売れ筋
③ロス率
④粗利益率
⑤値入率
⑥在庫回転数
⑦設定売価別分析
⑧仕入先別分析
などを行い、どこに、どのような問題が、
どの程度のひどさで潜んでいるかを分析することになります。
これも実践=訓練の中で能力開発を行なっていくことになります。
そうすることによって、
『儲けるツボ・コツ・ノウハウ・勘所』が養成されていくのです。
第5ステップでは、
ソリューションが待ち受けています。
ソリューションの方法は、
商品分野によって様々なものがあります。
・発注点と補充在庫数を設定して、在庫が膨れないようにする
・死に筋商品を迅速に特定・指定し、その販売方法を現場に指示する
・死に筋商品の売場をアウトレットとして、売場に設置する
・売れ筋商品のフォローを行い、現場に通達する
・在庫の拡大・縮小をきめ細かく実施する
・交差比率を活用し、粗利益額を最大化する
・他社の取扱商品で、動きの良い商品を仕入先から迅速に伝えてもらい、それも導入する
・品揃え・棚割り・価格政策を研究する
といったことを行なうことになります。
自らに
・課題を設定し
・現実を見つめ
・実施可能な現実的な対策を確立する
・それを即座に実施する
・効果を確認する
といった手法です。
訓練された頭脳とは、
現場に対して『仮説』を持ち込み、
それを次々と実践していく中で養成されるものです。
訓練された頭脳をつくるということは、
仮説を立てることであり、それは実施=本番に移されます。
仮説とは、上記の5つを実行する中で
結論として提出された未実施の対策です。
これが実践的訓練であり、
戦い抜いた人のみが獲得できるスキル・ノウハウなのです。
それは、体にビルト・インされた高い次元の暗黙知となっているのです。

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