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経営論集

2007年07月
第20号 好学・好職~3年以内の退職者が3分の1~2007.07.30 (月)

私は子供に、
『自分が好きな仕事だと思えなかったら、会社を辞めてもよい。じっくりと考えて、自分がやりたいこと、自分に合った仕事を探しなさい』
と言っていました。
このためか、娘は金融会社を1年で退社し、保育士の資格を取って、
結婚するまでの3年間を子供たちと過ごしていました。
娘は3歳からクラシックバレエをやっており、
大学生になる頃には、先生のアシスタントで子供たちに教えていました。
娘のキーワードは、『子供達が好き』でした。
保育園に勤務した後は、辞めるという言葉は一度も言っていません。
息子も勤務した会社は金融でした。
大学のゼミも金融であり、別に金融を嫌っていたわけではありません。
しかし、3年3ヶ月勤務して退職し、アメリカのMBAに行ってしまいました。
そして、メーカーへ就職しました。
結果として、私の子供達は2人とも3年程度で最初に勤務した会社を辞めてしまいました。
私が、経営コンサルタントになろうと決心をしたのは28歳の時でした。
それまでは、自分で自分を持て余していました。
別に何になろうという気持ちがなかったからです。
労働組合活動をやったり、マージャンをやったり、
山に登ったりして青春?を過ごしていました。
組合では書記長をやっていました。
春闘!の団体交渉で、
『和装、アパレル、テキスタイルという各事業部別の戦略を出せ』
と経営者側に迫っていました。
会社からの回答は
『皆様方、おひとり、おひとりが、予算を達成していただけましたら当社は万全でございます』
というものでした。
この時、私は怒り心頭に達し、前にあった書類を投げ、
『あんたらは、私達が集めてきた売上や経費を足し算・引き算して決算をしているだけか。それで経営者なのか、恥ずかしいと思わないか』
という意味のことを言って吼えていたことを覚えています。
この言葉を吐いた直後に、経営コンサルタントになろうと思いました。
その後、5年間経営コンサルタントになるために独習をしました。
そして、組合の役員になることは2度とありませんでした。
経営コンサルタントを志望した私は、
・得意先を相手に予算編成、人事制度、販売促進計画の確立などの相談に乗る
・ドラッカー、アンゾフ、流通、マーケティング関連の本を読む
・人事制度、営業などに関する原稿を書く
といったことを始めました。
これは苦痛ではありませんでした。
むしろ、嬉々として勉強していました。
つまり、『好職』を見出したということです。
また、『好学』について考えてみると、
営業、マーケティング(商品開発を含んでおり広く学習しました)、商品開発、流通というものが面白かったのです。
折しも、スーパー・マーケットが伸び盛りの頃であり、
またアパレル産業が勃興しつつある時期でもありました。
仕事が営業であり、商品開発であり、流通が日々変化している時期でもあり、
それを俯瞰したり、分析したりすることが楽しかったのです。
しかし、中小企業診断士になる勉強は3ヶ月程度でやめました。
なぜなら、経営コンサルタントになるためには、
圧倒的に強い分野を1つ確立すべきであると思ったからです。
それを営業・マーケティング、流通・商品開発に絞ったのです。
好きなら、おもしろく、楽しい。
好きなら、苦にならない。
好きなら、耐えられる。
好きなら、めげない。
好きなら、本も読む。
好きなら、・・・・・・・
というように、ドンドン成長していくのです。
1つ例を挙げてみましょう。
好きになる方法は、
『仕事を職業×職位で捉える』
ということが前提になります。
そして、この環境の中で
①部下を育ててやろう
②自分が言っていることを、より次元の高いものにしよう(戦略、計画)
③ナレッジ・マネジメントをやってみよう(学習する組織)
④得意先への提案レベルを上げよう
⑤新しいリーダーシップを考えてみよう
という形で自己改革を志向するのです。
他に、自分に具体的な能力を付与するということと、
他人のためになるということを半々で設定してもよいと思います。
例えば、好きになる動機が、
部下を育成してやろう、得意先に貢献しよう、リーダーシップっておもしろそうだなあ、経営戦略論をやらないと自分職責が果せないなあ
といったことでもよいのです。
また、様々なことに手を出していては、
能力開発はやりにくいものです。
徹底して、経営戦略、リーダーシップ、マーケティング(広すぎますが・・・)、財務などに
絞ってやってみることが重要だと思います。

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第19号 人間の値打ち2007.07.27 (金)

『先生は、私の経歴をご存知ですか?』とある人に言われました。
『申し訳ありませんが、存じ上げておりません」と私は答えました。
『私はですね。I大学卒業で、M社出身です。これを知った上で、お付き合い願いたいですね』
と言われました。
この時、私は
『しょうもない人やなあ。I大学がどないしたん。M社が何やねん。I大学を出て、M社に入社したのなら、取締役ぐらいにはなれよ。なんでここにいるんだ』
と思いました。
これ以外にも、『私は医者だ』と言って、他人を低く見ようとする輩もいました。
この時も、私は『医者であることしか自慢ができないのか』と思いました。
この時に抱いた感情は、個別具体的に当人に向けられたものであり、
I大学、M社、医者全体に向けられた感情ではありません。
人間の値打ちは、
①大学
②職業
③閨閥
④その他経済力
⑤過去の業績・偉業
などによって決まるものではありません。
私は、『人間の値打ちは、今、取り組んでいる課題の値打ちによって決まる』
と思っています。
人間の価値は、『役割によって決まる』と言ったのはドラッカーでした。
ドラッカーは死ぬ直前まで経営に対する研究を進め、
原稿(論文と原稿の違いはどこにあるのかが分かりませんが・・・・)を書いていました。
ドラッカーは生涯、自己の役割を果し続けたのです。
今、あなたの取り組んでいるテーマ・課題は何でしょうか?
①新規開拓
②営業のしくみづくり
③日報の改革
④在庫コントロールノウハウの開発
⑤管理会計
⑥自社の求める人材の発見法
⑦段取り替えの迅速化
⑧正しく納期を回答できる生産計画の確立
⑨商談時における提案・商売を増やす
⑩粗利益率の向上
⑫粗利益額の確保法
⑬投資回収期間の短縮
⑭企業評価の方法の開発
⑮品質の向上
⑯クレーム対応方法の確立
⑰品揃えの改革
⑱新商品、新業態の開発
・・・・・
本当に多くの問題が、企業経営を取り巻いています。
この中で、自分の職種と職位にマッチングし、
自己の将来を切り開く課題・テーマを発掘し、
それに取り組んでいる人達は人間として値打ちがあります。
誇るべきものが、出身大学名であったり、在籍した企業名であったり、職業であったりしているだけでは、あまりにも貧弱ではないでしょうか。
『誇り』と『プライド』は違います。
誇りには良いイメージがあり、
プライドには良いイメージがありません。
テーマ・課題を自己に課せば、追い求める姿勢が確立されます。
研究・学習している自分に誇りが持てるようになります。
そして、生きる姿勢が明るくなります。
生きる姿勢が明るくなれば・・・・・。
後は、ご自身でイメージして下さい。

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第18号 仕事と能力開発2007.07.24 (火)

仕事には、
①企業内だけで通用する能力
②横断性のある能力
という2つがあります。
仕事には、
①定常業務
②マネジメント業務
③戦略業務
という3つがあります。
仕事には、
①早く、正確に、大量にこなすもの
②ツボ・コツ・ノウハウ・勘所が求められるもの
③正しい《解》を求められるもの
④ソリューションしなければならないもの
などがあります。
仕事を順調に行なっていくために、
①パソコン、機械、機器の使いこなし
②様々な手法の習得
③報告・連絡・相談
④ミーティング
⑤会話能力
⑥情報処理
⑦理論の習得
⑧財務の知識
⑨マーケティング知識
⑩戦略形成
⑪相手の立場に立って考えられること
などが求められます。
ここで気付くことは、労働力の横断性を保証するものの多くが、
『仕事を順調に行なっていくために必要とされるもの』の中にあるということです。
これにマネジメント能力と戦略業務をこなせる能力、
さらにソリューション能力をつければ、
業種・業界を超えて通用する人材になることができるのではないでしょうか?
ある都市銀行から出向してきた社員が、
出向先で2ヶ月間のうちにその会社の商品知識、業種・業界慣行を身に付け、
一気に会社に同化し、仕事ができる人、役に立つ人になった事例を見たことがあります。
彼は優秀でした。
商品知識は、既存の社員よりも遥かに高いものを獲得していました。
なぜなら、A、B、C・・・・という商品は、
『なぜ開発されたのか?』という開発コンセプトにまで掘り下げて理解したからです。
既存の社員は、新商品が出たという次元でしか商品を捉えていなかったのです。
また、彼にはマネジメント能力があり、ソリューション能力がありました。
このため、彼はいわゆる『できる人材』になっていったのです。
一方で、彼は新参者であるという自己の立場をわきまえ、
謙虚ででしゃばらないという姿勢を堅持していました。
しかし、社内でいつの間にか存在感を増しているという状態でした。
この事例からすると、業種・業界の慣行、商品などは2ヶ月で習得できるのです。
会社の仕事をこなしているだけでは能力は開発されません。
業種・業界の知識がある、仕事を早く、正確に、大量にこなすというだけでは、
『慣れ』の世界の話であり能力があるとはいえません。
能力開発のためには、製造、営業、内務部門を問わず、
①高い固有技術(スペシャリティ・専門性)
②市場情報、技術、製品開発、ニーズの変化(これでもマーケティングとはいえない)
③経営戦略
④財務
⑤リーダーシップ
⑥ソリューション
⑦マネジメント
などに関して、知識、スキル、センスを獲得するように学習する必要があります。
その前に、自己を客観視し、良い《解》を出せないのはなぜでしょうか?
それは市場を知らないからです。財務の知識がないからです。
ソリューションの方法を知らないからですというように、自己分析を行うべきなのです。
これからの時代は、社会が必要とする能力を養成し続けることが求められています。
社会が私を必要とし続けるためには、私は何を勉強すべきかと考えることが必要です。
態度は傲慢であったとしても、自信に溢れた行動を取っていたとしても、
内面には、知に対する謙虚さを持ち合わせています。
そのような人間が本物なのではないでしょうか?

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第17号 創発的経営戦略形成2007.07.24 (火)

『創発的』『創発性』と呼ばれる概念があります。
東大阪のN商事のコア・コンピタンスは、
実用新案を取得したデザインを生み出したことに代表される『開発力』です。
この開発力は、M専務の体内に宿っています。
この実用新案によって、オリジナル商品・OEM商品を作り、
N商事のビジネスは拡大しています。
同様のことが、同じく東大阪の企画系企業のKにも言えます。
幾つかの特許を取得し、革新的な商品を開発し、
それがビジネスにつながっています。
企画・開発力のある会社という社会的評価にもつながっているのです。
新潟のP社のレーザー技術を見たある税理士は、
自分が関係する企業のレーザー技術への投資をやめさせました。
P社には、とてもかなわないと考えたからです。
P社のレーザー技術が革新的であり、
次元の異なる『創発性』を持つものだったからです。
京都の寺院が、夜間に庭園のライトアップを行い夜間拝観を開始した時、
あるイベント会社の社長は地団太を踏んで悔しがりました。
そのような企画をこの社長も考えていたからです。
この夜間拝観を可能にする企画もまた『創発的』なものです。
東大阪のU社は、建設会社とのコラボレーションで道路補修の機器を開発しています。
この機器の開発により、水の散布が必要でなくなることから、
2人でやっていた仕事が1人でやれるようになり省力化がはかれます。
これも『創発的』なのです。
『創発性』の小さなものは、『アイデア』と呼ばれるものであり、
『創発性』の大きなものは、企画、商品開発、技術開発などにつながっていきます。
では、経営戦略レベルの『創発性』というものは存在するのでしょうか?
ここを厳密に考えていただきたいのです。
経営の基本は、
『利益を創出し、キャッシュフローを増やす。その増やしたキャッシュフローを有効に投資する』
ということです。
経営には創意工夫はありますが、それをもって『創発的』とは言わないのです。
創発的な技術、商品、企画を生かした経営を行なうことが、
創発的経営であるということになります。
もう1点、創発的な企画、技術、商品が生み出されるように、
環境を整備し能力開発のカリキュラムを準備することも
創発的経営になるのです。
『創発性』は、企画、技術、商品、業態などの開発にこそ
発揮されるものであるということなのです。
この創発性はどこから出てくるのでしょうか?
それは業種・業界の製品・サービス・ビジネスに対して
◆改善
◆改良
◆改革
◆創造
という『イノベーション』によって獲得されるものです。
商品開発であれば
◆使用場面
◆使用方法
◆使い勝手
などの観察・研究を行なうことによって、イノベーションはもたらされるのです。
ニーズとは、
◆使用場面を増やす(コストダウン、多機能など)
◆使用場面をより明確にする(専門性)
◆使用方法を拡大する
◆使用方法を簡素化する
◆使用方法をより専門化する
◆使い勝手を飛躍的に高める
◆操作性をよくする
ということです。
『ニーズとは何なのか?』ということを研究しておく必要があります。
『ここをこうすれば便利になる』ということは、使い勝手を表しています。
『コストダウンをはかれば、もっと多くの顧客に使用してもらえる』ということは、
使用場面の拡大につながるのです。
『単機能にすれば、使用方法が簡素化され高齢者の操作が便利になる』ということは、
使用方法を表しているのです。
技術開発は研究室でできますが、
商品開発は『使用場面』を見る・観察する・想定する
ということを行なわないとできるものではありません。
以上のことから、
『創発性』
=『改善・改良・改革』×『使用場面・使用方法』×『観察・研究』×『専門性』×『発想力』
という算式で成り立っていることが理解できます。
『創発性』は、多くの人が保有している能力です。
しかし、発揮されることがないまま眠り続けている能力なのです。
それは、その人が『課題』『テーマ』を持たずに暮らしていることにある
と指摘しておきます。
課題・テーマを持っていれば、
継続的かつ系統的に学習・研究することになります。
本を読む、インターネットで検索もする、人との会話の中で質問もするという具合なのです。

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第16号 経営戦略の確立②2007.07.23 (月)

第15号の最後に挙げた戦略的発想の6点を踏まえて、
ある建材卸は『店舗』を改造しました。
在庫置き場のように乱雑であった『店舗』に対して、
①売場面積の拡大を実施する
②全品バーコード化をはかる
③新たに品群設計を行い、新たな品群を導入する
④各品群についても、品揃えを強化する
⑤顧客から見て、買いやすい店舗にする
⑥部門に仕入れ担当者を設置し、在庫コントロール、新商品の導入を行なう
という対策を講じました。
工事業者、建築会社などは、
店舗に来ればいつでも工具、資材、住宅設備などの
最新の商品を見つけることができます。
このことからショールームの役割も果しているのです。
しかも、キャッシュ・オン・デリバリーの現金問屋ではありません。
現金を持たずに取引条件に従って商品を購入できるのです。
『必要な時に、必要な商品を、必要なだけ配送してくれる』
という以前からの社会的評価の高い機能の上に、
『品揃えが優れており、必要なものがいつでも購入できる。そして、便利であり真に必要な問屋である』
という社会的評価を加えようとしているのです。
この建築資材卸は、これをもって『新業態』として位置付けています。
他地域への進出も可能な強力な業態として、
より一層、機能・役割に磨きをかけ、新たな出店意欲を見せています。
『店舗持ちで資材在庫があり、即日配送の超便宜提供型卸売業態が、
さらに品揃えを拡充し、買いやすい・選びやすい店舗をつくり、
かつ、事務処理の正確性・迅速性を加える』
ということになったのです。
企業そのものの必要性をより一層高めたことになります。
このレベルの行動をもって経営戦略というのではないでしょうか?
この店舗は、2007年1月22日の月曜日にリニューアル・オープンとなりました。
店舗担当の社員は、ここに至るまで改革の主旨を理解し、
自分の仕事として本当によく戦っています。
その一例は、店舗の売場に貼り付けるラベルの商品名の印字が小さく、
文字が読みにくいということに社員が気付き、
大きな文字に切り替えようとしていることなどに現れています。
つまり、もう一度、売場作りの仕事をやり直さなければならないのです。
このことを社員が言い出し、社長がそれに応えて新しいラベラーを発注しました。
リニューアル・オープン後にも、店舗の改革は継続されるているのです。
この店舗付き卸売業態は、地域で高い評価を受け、
顧客の開発、維持に寄与し続けるでしょう。
この卸売企業が採用する次の戦略は何なのでしょうか?

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第15号 経営戦略の確立①2007.07.20 (金)

『自社の将来をどう切り開いていくか?』
この課題に対するソリューションは『経営戦略』を確立し、
それを実現していくことです。
経営戦略を確立・実現していく仕事は、
『戦略業務』であり、それは経営者の仕事です。
経営戦略理論には、
①分析型経営戦略
②資源依存型経営戦略
③その他、経営者独自の経営戦略形成理論
という3つがあります。
①はポーター、②はハメル&プラハラッドに代表されます。
彼らの著書は300万部も400万部も売れているわけではありません。
つまり、経営者・経営幹部・管理者のすべてが
読んでいるわけではないのです。
現実には、経営戦略が形成され実現に移されています。
この場合、経営者・経営幹部は
『何をよりどころに、どのような思考ステップを経て経営戦略を形成しているか?』
ということが疑問として浮上してきます。
多くの経営者・経営幹部は、
何かを考え続けて経営戦略を打ち出しています。
つまり、③の方法を採用しているということです。
『経営者独自の経営戦略形成法とはどのようなものなのだろうか?』
という興味が沸いてきます。
多くの経営者に
『どのようにして経営戦略を形成しているのか?』ということを聴いたところ、
以下のようなこと(思考方法、アプローチ方法)が浮かび上がってきました。
①下請から脱却するために、何をすべきかを考えている
②下請でいくことを前提に、より儲けるためには何をすべきかを考えている
③経営理念から発想して、何をすべきかを考えている
④財務から発想して、キャッシュフローを増やすことを考えている
⑤自社で新商品が何年も上市されていないことから、新商品の開発を考えている
⑥効率的な生産を考えている
⑦技術開発を考えている
⑧新規事業を考えている
⑨社員一人当たりの売上高を3000万円にすることを考えている
⑩得意先を増やすために、新規開拓を行なうことを考えている
⑪補助金に合わせたテーマを設定して、補助金を獲得することを考えている
⑫人材の棚卸しを行い、何をしてもらうかを考えている
上記の経営者の経営戦略に対する思考方法は、
以下のように整理されます。
→ポーターのいう5フォース分析を行っておらず、
ポーターの理論に則った意味での分析型の経営戦略形成ではない
→下請け、商品開発ができていない、技術開発が必要、
キャッシュフロー経営ができていない、効率的な生産ができていない
といった自社の現状について一応理解しており、事情反映型である
→一部の経営者は、人材の棚卸しを行なっていることから、
一応は、自社の経営資源を動員しようとしている気配がある
→共通して見られる傾向は、
何らかの形でテーマ(下請け脱却、より儲ける、新商品の開発、新規開拓、効率的な生産など)が割り出され、それを経営戦略として設定しテーマを解決しようとしている
→『社員一人当たり売上高3000万円』
『補助金をもらうためのテーマ設定』
『キャッシュフローを増やす』
などは経営戦略にはならない
残念ながら、多くの経営者の経営戦略形成は、
経営戦略を創出するための戦略的発想ができていない。
また、経営者が割り出した『テーマ』が、
当該企業にとって真に必要とされる戦略であるかどうかが極めて疑問であり、
他に立ち向かうべき経営戦略があるのではないかという疑問が強く涌いてくる。
戦略的発想とは
①経営資源評価と経営資源開発
②将来の自社のあるべき姿(ビジョン)
③どのような評価(品質が優れている、短納期、技術水準が高い、商品開発が上手など)を
社会から受ける企業になるべきかという『評判ポジショニング』
④『人口減少高齢経済』という将来を見据えている
⑤市場の変化と市場への自社の位置づけ
⑥以上を踏まえた自社が行なうべき複数の戦略代替案からの選択
という6点を考慮・実行し、戦略形成を行なうことなのです。
次号では、実際に戦略的発想を踏まえて
『店舗』を改造した事例を挙げたいと思います。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>【お知らせ】経営論集は、ダイジェスト版になっています。
元原稿は『苦言・迷言・提言』といいまして、服部吉伸が不定期に配信しています。
配信先は、弊社のクライアント様、服部吉伸の知人・友人・教え子達であり、
様々な分野で活躍されている方たちです。
現在、元原稿である『苦言・迷言・提言』は、A4で400ページに達しています。
元原稿をご要望の方は
◆氏名
◆会社名、部署・役職名
をご記入の上、服部吉伸までメールにてご連絡ください。【メール送付先】
服部 吉伸<hatto.suru@nbcjp.com>

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お知らせ2007.07.19 (木)

経営論集は、ダイジェスト版になっています。
元原稿は『苦言・迷言・提言』といいまして、服部吉伸が不定期に配信しています。
配信先は、弊社のクライアント様、服部吉伸の知人・友人・教え子達であり、
様々な分野で活躍されている方たちです。
現在、元原稿である『苦言・迷言・提言』は、A4で400ページに達しています。
元原稿をご要望の方は
◆氏名
◆会社名、部署・役職名
をご記入の上、服部吉伸までメールにてご連絡ください。【メール送付先】
服部 吉伸<hatto.suru@nbcjp.com>

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第14号 学力偏差値は高いが、仕事ができない人の知的欲求2007.07.18 (水)

一部に学力偏差値の高い大学を卒業しているが、
ビジネスセンスがなく、仕事ができないという人達がいます。
この種の人は、当然大企業に多いのです。
ところが、転職を重ねて中小企業にも紛れ込んでくるので注意を要します。
有名大学卒業という触れ込みには注意が必要です。
この人達の共通の特徴の一つは、
『自分は悪くない』と考えていることです。
仕事がうまくいかないのは、
①このような仕事をさせている会社が悪い
②口出しをし、自由に仕事をさせない上司が悪い
③景気、得意先、プロジェクトメンバーなどの環境が悪い
と考えています。
また、彼らは高いプライドを持っています。
このプライドから彼らは、一種の知的欲求を持っています。
この場合、彼らは民間の教育機関に通うようになります。
その教育機関では、MBAの○○○といった難解なテキストをあてがわれます。
読了するのに、相当な日本語能力が要求されるものです。
難解なテキストに、敢然と挑む!
テキストを読了した時の感激には、大きなものがあります。
知的欲求が満たされ、充実感があるのです。
ところが、ビジネスセンスがないため
学んだ理論を現場で活用することができません。
ある若者が、ある教育機関でインターンシップをしようと考えました。
それで面接に出向いたのですが、
面接に現れた28~30歳の社員と面談しているうちに、
『ここでのインターンシップをやめよう』と思ったそうです。
なぜなら、面接に現れた男性社員が、
年齢に相応する能力があるとは思えないレベルであったからです。
大学を卒業して5年以上も経つのに、
この程度にしかなっていないのか?
ここに入社してもあまり成長できないのではないか?
と考えたというのです。
インターンシップでお世話になる側の人間が、
企業評価を行ない、インターンシップを辞退するのです。
企業の現場では専門用語は別ですが、
平易で分かりやすい言葉が使用されています。
民間の教育機関でも現場の実態に合わせて、
平易なテキストで現場感覚を反映した高い次元の講義・講座が、
開設されるべきなのです。
難解なテキストを用い、
テキストを読了すること自体が目的となり、
内容の理解に苦しむようなことではますます現場離れしていきます。
重要なことは、現場の現実に対して
『具体的かつ的確にソリューションできるアプローチ方法の習得』なのです。
それは、頭でっかちとは対極にあるものなのです。

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第13号 禁句 『いずれにしても』2007.07.13 (金)

ビジネスマンや経営コンサルタントは、
『いずれにし(まし)ても』という接続詞?を使用しません。
その代わり、『これらの対策のうち』『以上の戦略代替案の中から』という考え方で話を展開します。
ビジネスマンの会話、提案は、
『我々には3つの選択肢がある。1つ目は・・・。2つ目は・・・。3つ目は・・・である』
という話を前提に『これらのうち、我々が選択すべき課題・戦略は・・・・』
という展開になるからです。
『いずれもしても』という言葉を使用しない理由は、
①戦略や対策レベルの《解》を明確にして、具体的にビジネスを語る必要がある
②いくつかの選択肢から、結論を導き出すことから、
選択肢が実用可能なレベルで、かつ具体的でなければならない
というところにあります。
『いずれにしても』という言葉を使用できるのは、
責任のない評論家や学者が無邪気に語る場での話です。
我々ビジネスマンや経営コンサルタントが、
『いずれにしても』などと言おうものなら、
『キチンとものを考えて、もっと具体的に、かつ、選択肢を明確にするなどして語れ』
と上司から叱責されることになります。
逆に考えますと、事態をうやむやにしたり他人を煙に巻くといった場合には、
つまらないこと、粗雑なことをたくさん述べて、
その後で『いずれにしましても、非常に複雑な問題であり、
今後より一層の調査・研究が必要である』
という形で締めくくることが可能な便利な用語です。
しかし、ビジネスの世界にも『いずれにしても』という言葉を使用する人達がいます。
この人達を見ていると、
・ビジネスセンスがない
・業績が悪い
という共通項があるようです。
『いずれにしても』という言葉によって、
粗雑な論理、不確かな情報、的確でない対策などを覆い隠そうとしているのですから、
付き合っている人達が嫌になってきます。
だから、売込みが成功しませんし、交渉がうまくいかないのです。
結局、『いずれにしても』という言葉を使用する人には
能力、ビジネスセンスがないということが結論になるのです。

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第12号 『どないすんねん』は後、『なんでやねん』が先2007.07.09 (月)

どないすんねん』『なんでやねん』というのは、関西弁です。
『どないすんねん』とは『どうするのだ』ということであり、howを表しています。
『なんでやねん』とは『なぜなのだ』ということであり、whyを表しています。
多くの経営者・経営幹部・管理者が、
①売上が伸びない
②粗利益率が低い
③在庫が多い
といった問題に対して、『どないすんねん』と『方法を問う発想』を先にしています。
この質問に対しては、『ガンバリマス』『すみません』『気をつけます』という
その場逃れの3大用語が返ってきます。
ところが、『なんでやねん』という言葉を発すると事態は一変します。
売上予算が未達であるということに対して、『なんでやねん』という質問を発すると、
部下:○○得意先で300万円、◇◇得意先で500万円前年割れを起こしています。
上司:なんでやねん?
部下:○○得意先では、○○商品を仕入れていただけませんでした。
上司:なんでやねん?
部下:???
上司:どうして、○○商品を仕入れてもらえなかったのか?
部下:多分、ライバルの△△商品が入ってしまったのではないかと思います。
上司:なんでやねん?
部下:?????
上司:だから、どうしてライバルの△△商品が入ってしまったのかと聞いているのだ!
部下:私の怠慢です。
上司:怠慢というのは、どういうことなのだ?
部下:○○様に、○○商品の案内をしていなかったのです。訪問をしていませんでした。
上司:なんでやねん?
部下:???????
上司:さて、どうやって△△商品を引っくり返して、○○商品を再納できるようにするのだ?
このように『whyの発想』を行なうことによって、
原因・事態が明確になり、《解》が求められるようになるのです。

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第11号 その場逃れの3大用語2007.07.06 (金)

『すみません』『申し訳ありません』というのは、謝罪であって反省ではありません。
『以後、気をつけます』というのは、注意するということであって反省ではありません。
『ガンバリマス』というのは、意味不明のあいまい語であり、当然反省ではありません。
以上のようなことが、職場に氾濫しています。
反省という概念が職場に根付いていないことから、同じ問題が繰り返し発生します。
このことから、上記のような言葉はなくならないのです。
反省とは、
①うまくいかなかったことについて、その原因をつかむ
②その原因に対策=新しい方法を考えつく
③その対策=新しい方法を実行する
ということです。
反省とは、神妙に頭を下げることではなく、
胸を張り、轟然として、気迫に満ちて新しい方法を実行することなのです。
ここで重要なことは、うまくいかなかった=失敗の原因をつかむことです。
同じ起業の失敗でも次の事例にように、原因は多様にあります。
◆事例①
起業に失敗した。その原因は、元々、採算に乗る可能性の低い、製品・サービス・ビジネスで起業をした。製品・サービス・ビジネスの評価能力がなかった。また、早期に起業しなければならないという思いがあり、焦りがあった。
◆事例②
起業に失敗した。その原因は、商品の販売価格が高すぎて市場開発=得意先開発が思うように進まなかった。慌てて、価格を見直したが、市場開発にもたついていた。その間に資金が底をついた。続いて資金調達にも失敗した。その原因は、ビジネスの有望性を正しく訴求できなかったことにある。
このように原因は自己の内部にあります。それを把握し、次回からはこうしようと対策を確立することを反省といいます。
しかし、上記のような起業に失敗すると、再起に長期間を要することになるのです。
反省よりも重要な概念は、『前省』です。 それは他人の失敗・成功を学ぶということです。
起業に際して学ぶポイントは、おいしい話・すばらしい結果ではなく、事業の組み立て、収益源の強化、競争優位性、経営方法、行動といった前提条件とプロセスです。
『すみません』『気をつけます』『ガンバリマス』は、その場逃れの3大用語です。
この言葉が結論になるようなものは、マネジメントではありません。

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第10号 経験とは何か2007.07.03 (火)

経験とは、『こうすればうまくいく、こういうことは絶対にしてはならないということを数多く身に付けていて、かつ、それを他人に教えられること』を指しています。
つまり、『仕事のツボ・コツ・ノウハウ・勘所を習得している』『他人に教えられる』ということを指しています。
この『仕事のツボ・コツ・ノウハウ・勘所』は、
①加工・製造→こう作れば、こう切れば、こう塗れば、こう削れば、こう磨けばうまくいく、温・湿度をこう考慮し、このように配合すればうまくいく
②アポ取り→このようにアプローチすれば、顧客とのアポイントが取れる
③思考ステップ→このような思考ステップを歩めば、《解》に至ることができる
④価格交渉→こうすれば、あまり値切られない
⑤段取り→こういう形で仕事の段取りをすると早くできる
⑥指示・命令→このように喋れば、正しく伝わる
⑦議事録→会議の議事録は、こう取れば便利だ
⑧予測→本日の来店数は2100人であり、これだけ売れる
⑨新規開拓→新規開拓で訪問した後の手順はこうだ
といったことを表しています。
これが、現場における経験です。
経験則とは、『課題を設定し、課題をソリューションしたからこそ、仕事のツボ・コツ・ノウハウ・勘所を習得している』ということです。
このことから
・あの人、この人を知っている
・あの会社はこうだ
・この業界に20年いる
といったことは、単なる慣れであり経験にならないのです。
経営者・経営管理者にはリーダーシップが必要です。
このリーダーシップの一部を構成するものが、課題の提示、課題の分配、課題に対するソリューションへの協力です。
このために、経営者・経営幹部・管理者は、『仕事のツボ・コツ・ノウハウ・勘所』をつかむ方法を知っている必要があります。
そして、より重要なことは、『経営者・経営幹部・管理者にとっての経験とは何なのだろうか?』ということです。
それは、現場における経験を超えて、所属する業種・業界において『儲けるツボ・コツ・ノウハウ・勘所を知っている』ということなのです。
儲けるためには、
①過去に確立し、実行した戦略によって現在の業績があるという認識に立つ
②戦略を毎年確立し、それを実行する
③できれば、ビジョンを確立する
④新商品の開発を継続して行ない、順次、上市する
⑤その一方で、技術開発を行なう
⑥流通業の場合は、新業態の開発を行なう
⑦キャッシュフロー経営を実施する
⑧プロフィットセンターを明確にし、独自の管理会計を導入する
⑨人材育成・能力開発を系統的に行なう
⑩営業部門には、クリエイト、新規開拓を継続的に実行させる
⑪リエンジニアリングを実施する
⑫品質管理を徹底し、安心して売れるようにする
⑬ずるい経営をせずに、コンブライアンスを遵守する
⑭ミッション・スティツメントを確立し、遵守する
⑮現場最前線が利益意識を持つしくみをつくる
といったことが求められます。
以上のような経営者に問いたい課題について、どれだけのことを実行してきたか?
経営能力というものは、
・理論の習得、環境分析、自社の分析
・戦略、対策、方針の確立
・実行プロセスを設計しつつ、実行
・うまくいかなかった原因をつかむ=反省
・再確立
というプロセスを経て、培養されていくものです。
多くの中小企業の経営者が、日常のマネジメントに口出しをしており、『戦略業務』を行っていません。その原因は、『管理者が問題を解決できないため、すぐに経営者に相談する』ところにあります。
つまり、経営者は管理者を育成していないため、現場の問題に引きずられてしまうのです。
これは『経営者が経営者の仕事を管理者に権限委譲していない』ことになるのではないでしょうか。
現場、つまり、管理者以下がソリューション能力を持つことによって、経営者は経営者の仕事に専念でき企業が伸びていくのです。
管理者に『ソリューション能力養成教育』を行なったことがあるのでしょうか?
徹底して、管理者にソリューション能力を養成させるべきだと考えています。

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第9号 ミッションは儲かりまんな!2007.07.03 (火)

知る人ぞ知ることですが、2003~2004年頃に『ミッションは儲かりまんな』という言葉が流行しました。
この言葉は、徳島のある企業の社長が言い出した言葉でした。
この社長は、前号でお知らせしたポーター、ハメル&プラハラッド、野中郁次郎、ウォートン・スクール、ミンツバーク、コトラー、アーカー、コリンズ、ピーターズ&ウォータマンなどの著書を実際に読まれたのです。
そして、コリンズの『ビジョナリー・カンパニー』に傾倒され、自社のミッション、つまり、企業コンセプト(経営理念)、事業コンセプト(事業理念)、思考・行動コンセプト(行動指針)などを見直されたのです。
この経営理念、事業理念、思考・行動コンセプトに感動された同じ企業の取締役が、営業で訪問した新規先でその話をされたところ、『そのようなすばらしいミッションを持っている企業とぜひ取引をしたい』ということになり、新規開拓ができたのです。
ここから『ミッションは儲かりまんな』という言葉が出てきたのです。
これは、社長が経営戦略関連の著書を読んだことと取締役がそれを理解したことによってもたらされたのです。
中小企業病のパートでミッションを取り上げているのは、『中小企業ではミッションがミッションになっていない』という現実があるからです。
例えば、『積極的な行動をしよう』『創意工夫を行おう』といった思考・行動コンセプト(行動指針)を掲げていたとしましょう。
しかし、『本人は積極に行動したつもりなのに上司は勝手にやった』と怒っているのです。
このような場合は、ミッションがミッションになっていないのです。また、定着することもないし、実行されることもありません。
原因は、単に『積極的な行動をしよう』と書かれているだけで、何が積極的な行動なのか、どうすれば積極的な行動として評価されるかが分からないからです。
1つの分かりやすい事例を掲げます。
『お客様が5メートルの距離に近づかれた時、あなたは何をどうしますか?
ここはあなたのファンをつくるパフォーマンスの場面です。
お食事のお味はどうでしたでしょうか?
散歩はなされましたか? 
良いお目覚めでしたか?
お客様にこびてはいけない。しかし、お客様により大きな満足感を抱いていただくために、あなたの笑顔とさわやかな声かけが必要です。
これが、わが社のお客様との5メートル接近論』
このような文章にして、ミッションを定義してはどうでしょうか?
こうすることによって、お客様により大きな満足感を抱いてもらうために(目的)、ここはあなたのファンをつくるパフォーマンスの場面(状況設定)ということになり、どのように語りかけるかは、あなたに任されているということになるのです。
そして、これがお客様との5メートル接近論として、必ず実行することになっているのです。
このように、目的、状況、場面、事例などを挙げてミッションを制定すべきなのではないてしょうか。
このようなミッションが制定されておらず、相変わらず、一言で書かれたミッションを掲げている。この創意工夫のなさ、マンネリ、弊害こそ生んでも、何も実りのない『一行ミッション』を掲げているのも中小企業病の1つだと思います。ミッションの整理ジョンソン&ジョンソン(以下、J&J)などは
①顧客
②社員と家族
③コミュニティ
④株主
という設定を行い、『信条』という形でミッション・スティツメントを確立しています。☆
日本では経営理念、事業理念、社是、社訓、行動指針などがバラバラに制定されています。
経営理念=企業コンセプト(利益の概念なし)、事業理念=事業コンセプト(利益の概念あり)、思考・行動コンセプト=行動指針といった形で、明確に整理し、不要なものを排除する必要があると思います。
1982年にタイレノールに青酸カリが混入する事件が発生しました。この時、J&Jは、スティツメントに従って事態を解決したのです。
このように、危機管理にも生かされるのが『ミッション』なのです。
ですから、1行であるがゆえに多様な解釈ができ、そのためになかなか浸透しない現在のミッションには、大きな疑問があります。さらに、利益の概念が混入している企業理念にも疑問を感じます。それは事業理念だと思います。
それなら、経営理念、社是、社訓、行動指針といった位置付けが不明なものをやめて、スティツメントで1つに整理・集約した方がよいと思います。
☆ 世界最強の社訓 パトリシア・ジョーンズ、ラリー・カハナー 講談社 2001年

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第8号 経営戦略不在病2007.07.03 (火)

中小企業大学校で『みなさんの会社の今年度の経営戦略はどういうものですか?』という質問を発しました。
20人の受講生中、自社の経営戦略を知っていた人は、僅か1名でした。
経営戦略が不在の経営に未来はあるのでしょうか?選択と集中は当り前のこと『選択と集中』という言葉は覚えやすいので、多くの経営者の口からこの言葉を聴きました。
講演、テレビもしくは新聞か何かで言葉を覚えたのだと思います。
しかし、『選択と集中』という言葉を聴くと、私の頭の中は??????という状態になるのです。
なぜなら、戦略を考え、そこから『選択と集中』を行なうことは当り前のことだからです。
重要なことは『選択』を行なえるように、戦略案(戦略代替案ともいう)を幾通りも策定するということなのです。戦略を幾通りか考え、その中から『選択』するのです。戦略を考えていないのに『選択』も『集中』もありえないのです。
だから、経営戦略を考えた人は、選択が終わっており『選択と集中』などという話はしないものなのです。やはり経営戦略論を学習することがポイント中小企業の経営者は、
・戦略業務
・管理業務
・定常業務
という三つの仕事を認識する必要があります。
そして、経営者は、従業員に何かを求める前に自分が自分の仕事をきちんとしているのかを考えていただきたいと思います。
冒頭の話からすると、20社中1社しか経営者は戦略業務をやっていないのです。
経営者は、ポーター、ハメル&プラハラッド、野中郁次郎、ウォートン・スクール、ミンツバーグ、コトラー、アーカー、コリンズ、ピーターズ&ウォータマンなどの著書を読む必要があります。
これは1つの比喩ですが、中小企業の経営者は、『もう少し理屈っぽくなるべきだ』と私は思っています。中小企業の経営者に『うちはどうせ、中小企業だから』という諦念があるとしたら、それは中小企業病です。
それを打破するものが『経営戦略』なのです。

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第7号 能力開発~ケーススタディのやり方~2007.07.03 (火)

学びの多様化学ぶ方法には、
①レクチャー(講義、講演など)
②ロールプレイイング(状況を設定して模擬演習を行う)
③OJT(同行セール、現場での実地研修、機械の操作など)
④プロジェクト・タスクフォース(商品開発、業務改革などに参加)
⑤テーマを与え、レポートを提出する
⑥昇格試験(昇格のために勉強する)
⑦グループワーク(グループでテーマを設定して調査・研究する)
といった方法があります。
これに⑧として、ケーススタディを加えます。
なぜ、ケーススタディなのか?
ケーススタディは企業内で生じる問題に対して、
①事前に学習・対応し
②いく通りもの《解》に到達している
③《解》を出す思考ステップ、分析方法などを習得している
ということが重要なポイントになります。
アメリカのMBA(Master of Business Administration)では、2年間に400以上ものケーススタディを実施し、事前に《解》と《解》を導き出す思考ステップを習得させて、社会に送り出しているのです。日本の社会人大学院は、単位数☆も少なく、中途半端なイメージがつきまといます。アメリカではMBAを修了しますと11万ドル程度の年俸(30歳前後)になりますが、日本の社会人大学院は修了しても年俸はほとんど変わりません。
それはさておき、ケーススタディは《解》を導き出す思考ステップを確立することに貢献してくれます。
これは経営幹部・管理者にとって、必須の能力であると思われます。
☆ 日本では40単位程度で修了させているが、アメリカは76単位程度と倍になっています。

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第6号 瓢箪から駒  ビジネスプランの要件と絶対的価値観2007.07.03 (火)

以下の文章は、『学生ベンチャーグランプリ』を終えた後の講評を行なえということで寄稿したもので、およそ600文字の原稿でした。
ところが、『ビジネスプラン評価の基準』という『記事』にしたいので、別途11文字×150行を寄稿せよ。さらに、この原稿は没になるので、他に講評を書き直せというご指示をある新聞社の支社長からいただきました。
『瓢箪から駒』というのは、こういうことを言うのでしょうか? 講評原稿を書くときに、「単なる講評ではおもしろくない。審査員がどのような切り口で、評価をしているのか? つまり、評価の裏側を書いてみよう」と茶目っ気を出したのは確かでした。それがより大きな原稿の寄稿につながったのです。
皆さんのビジネスプランや経営戦略評価の能力向上につながるかもしれません。没になった原稿の原文を転載します。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
ビジネスプランは
①新規性・独創性
②市場性
③競争優位性
④収益性
⑤拡張性・伸張性
という5つの要件を満たしていることが求められる。
「新規性と独創性」は絶対要件として必要である。
しかし、そこに、「学、遊、知、食、美、善、楽・癒し、健康、便利、向上、権威、進歩・進化、若さ」などを充足する「絶対的価値観」が存在し、既存の製品・サービス・ビジネスよりも優れたものが提供される必要がある。
これが、市場に受け入れられる「市場性」となり、それが優れていれば、「競争優位性」となる。さらに、そこから「収益性」も大きく影響を受けることになる。
「拡張性・伸張性」は、製品・サービス・ビジネスが、今後どう伸びていくかということであり、応用、適用の領域に入る。
ここでは、ビジネスセンスが要求されることになる。私は、審査の基準として、以上のことを主眼としている。これらのことを普段の経営コンサルテーションの中で研鑽を積み、審査員としての能力開発を心がけている。
審査の裏側のお話でした。
服部吉伸

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第5号 創造系の課題のソリューション2007.07.03 (火)

そもそも『ソリューション』とはどういうことをいうのでしょうか?
直訳しますと『解決』ということです。
狭義の解決とは
・具体的な問題
・目の前にある問題を解決する
ということを指しています。
広義の解決とは
・経営全体を俯瞰し
・将来を見通し
・何をなすべきか
を考えるビジョン、中期経営計画、年度経営・事業部戦略を表しています。
ここから演繹しますと、
①一般社員のソリューション
②管理者のソリューション
③経営幹部・経営者のソリューション
という階層別にソリューションが存在することが分かります。
『狭義×管理者』という視点でソリューションを考えますと、
①売上アップ
②粗利益率の向上
③資材・仕掛・商品在庫の圧縮
④見積り受注率の向上
⑤不良をはじめとするクレームの削減
⑥システムに仕事を乗せる
⑦効果的でその結果、効率的になる作業、生産活動、営業活動、事務処理
といった業務に関するスキル・ノウハウが浮上してきます。
『ガンバリマスということは、無能の証明である』という認識を持つことがポイントです。重要なことは、『ソリューション能力のない者を管理者にしてはならない』ということです。なぜなら、弱将であるからです。
売上アップのためには、新規開拓、クリエイト、リピート増をはかるように指導すべきです。粗利益の向上のためには、粗利益の高い品群の売上アップと商品の筋を理解させ、早期に不振品を退治すべきです。このため、リエンジニアリング、IE、QC、データ活用、SWOT、5フォース、ブレーンストーミング、部門診断能力、ベンチマーキング、ナレッジ・マネジメントなどを活用、養成して訓練された頭脳を持った人を管理者とすべきです。
ガンバリマスはまったく不要です。

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第4号 創造系の課題のソリューション2007.07.03 (火)

創造系の課題とは、「原因のない課題の総称」です。
創造系の課題には
①ビジョン、ドメイン、ミッション(企業理念、事業理念、思考・行動コンセプト(行動指針)、品質管理方針、社是、社訓)
②経営戦略、事業部戦略
③業態開発
④商品開発
⑤イベント、広告・宣伝
などがあります。
創造系の課題に対しては、
・テーマの設定
・アイデアの結集
・使えるアイデアか否かの棚卸
・使えるアイデアで、《解》☆を考える
・優れた《解》が導き出されない場合は、再度、アイデアの結集に戻る
・以下、同じ思考プロセスを歩む
という形で、《解》を探すことになります。
原因がないことから苦しい思考プロセスになり、かつ、能力差が大きく出ることになります。
アイデアの結集については
・縦軸
・横軸
に変数(条件)を設定して、アイデアを出す『マトリクス発想』を行う方法があります。
また、『1人ブレーンストーミングでコツコツとアイデアを集積していく方法』もあります。他には、5フォース分析、コア・コンピタンスからの分析、SWOT分析、エクセレントカンパニーの顧客に密着する、機軸を離れない、小さな本社といった『結論から帰納法的に発想する方法』もあります。
こうすることによって、ある日突然、『気付き』が発生し、すばらしい《解》に到達できるのです。『気付くか気付かないか』これが大きな能力格差となるのです。
☆ 《解》とは、広く答え、対策、結論、戦略などを表す言葉

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第3号 要因系の課題のソリューション2007.07.03 (火)

この世の中には
①要因系の課題
②創造系の課題
の課題の2つしかありません。
要因系の課題に対しては
①環境・現状分析・・・・・「問題」は何かを分析し、重要な問題を発掘する。それを課題として設定し、解決に取り組む
②パレート分析・・・・・・問題は各要因が50%、25%、10%、5%・・・・を占めている。その内のどれと、どれを解決するかを決める。すると、たとえば、問題の78%が解決できることが分かる
③特性要因図・・・・・・・問題を惹き起こしているのは、原因である。原因には「主因」「真因」「主要因」と呼ばれるものがある
④主因に対策・・・・・・・主因を引っくり返して対策を立て、実行し、効果を確認する
⑤効果のある対策を標準化・型決めする
という流れでソリューションを行なっていきます。
この要因系の課題には
・売上が伸びない(新規開拓、クリエイトをやっていない)
・粗利益率が低い(不振品の早期発見・早期処分を行なっていない、○○品群の過剰発注、説明営業、ソリューション営業が展開できず、価格依存型営業になっているなど)
・キャッシュフローが増えない(在庫が多い、回収が遅い)
といったものがあります。
分析→課題の発掘→重要な問題→重大な原因→対策の確立→実行→効果の確認→効果のあった仕事の方法を採用・型決めという流れになります。
何が原因なのかを考えてみてください。例えば、ルートセールスで売上が上がらない営業マンを対象にしますと次のようなことがいえます。
「売上が上がらない←商売の数が少ない←今日、クライアント別に何を商売するかを決めていない←今日、商売する商品の資料・見本をセットしていない←ファイルの今日、商売する商品をまとめていない←ファイルを作っていない・・・・・」
売れない主因は、「今日、商売しようとする商品をファイルの頭にセットしていない←だから、次々と商売ができない」ということが指摘できるのです。
自責で原因を捉え原因を他責にしません。原因は『方法が拙い』というただ一点なのです。

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第2号 正しく用語を使用する2007.07.03 (火)

次のような用語は抽象的過ぎて、不適切な使用になることが多いので気をつけましょう。
①マーケティング、マーチャンダイジング
②コミュニケーション
③品質
④マネジメント
例えば、『この商品は品質が良い』、『わが社のマーケティング戦略は・・・』、『もっとコミュニケーションをよくしていこう』といった形で語ることが多いものです。
品質って何ですか?・・・素材の良さなのですか?商品の機能が優れているのですか?価格パフォーマンスがあるのですか?寿命ですか?使い勝手の良さなのですか?・・・・・
使い勝手が良いのなら、使い勝手が良い、素材が良いのなら、素材が良い、機能が優れているのなら、機能が優れていると言えばいいのではないでしょうか。
品質と同様、マーケティングって何ですか?
マーケティングとはSTPR4Pを展開していくことです。マーケティング全体を1人で指導したり、講義したりできる人は、世界中探してもいませんよ。それほど広範囲にわたる概念です。コトラーが1000べージにものぼる大著を著しても、まだ書き足りないのですよ。
昨年末にある新聞社主催の『学生ベンチャーグランプリ』がありました。
無事、審査が終わり、新聞社の方々と審査員で一杯やりました。
その席上で、ある記者に『先生は、昨年の審査中(今からすると一昨年)に発表した学生に、君が、今言ったマーケティングという言葉は、営業という意味ですか? 営業なら営業という言葉を使うべきです。不用意にマーケティングなどという用語を使用しないようにとコメントしましたね」と言われました。
この記者は、一年前に行なった私のコメントを覚えていてくださったのです。
私は自分があまり賢くないことを知っています。だから、いつでも、適切な用語を用い、私の拙い考え方が少しでも正しく伝わるようにと考え実行しています。
マーケティングという用語を使用するとかっこいいかもしれません。しかし、上記の場合、前後の話から営業という用語を使用すべきところだったのです。私は学生に対して、教育的側面を重視し、適切な言葉を使用するようにと確かに指摘したのを覚えています。
このような些細なことを一年後に覚えていてくださった記者は凄い人だなあと思いました。多分、この記者は記事を書くときに適切で、的確な表現を心がけておられるのだと思います。

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第1号 経営にスピードがない2007.07.03 (火)

大企業よりも中小企業の方が、経営にスピードがあるというのはほとんど嘘です。
経営に対するスピードを保証するものは
①環境分析が的確にできている
②問題の重点を掴み、問題をソリューションできる
③優れたプラン・対策などができている
④戦略の流れの中に位置づけ、正しい判断ができる
といったことにあるのです。
昨年、一部上場のシステム企業の社員と会いました。彼は、上記4つの条件を具備しており話が早く、当社との提携が一挙に進んでいます。
特に③の優れたプラン・対策づくりについては、ネクストステージ・ビジネス・コンサルタンツ(NsBC)の経営資源と自社のニーズを明確にすることによって、一挙に商品化を進め、提携話を進展させています。
経営のスピードについては中小企業だから迅速であるということは絶対にありません。
要は①の分析に基づいて、②の問題の重点をつかみ、それをソリューションできるか否かが問われているのです。
そして、優れたプラン・対策を立て、④の正しい判断へと自らを導いているのです。
①②③④のすべてが、中小企業は弱い。だから、経営にスピードがないのです。
逆に言うと、中小企業も大企業も関係ないのだから、④の正しい判断ができるという前提条件である①②③をやったらよいのです。
経営者、経営幹部に求められているものは、『経営能力』です。これが一朝一夕で具備できるのなら、そんな楽なことはありません。
過去の経営戦略のあり方が、現在の業績になっているのであり、来期は良くなるのでしょうか?
自分に心地よい響きの話を聞いていても、突破口は開けません。
じっくりと継続的にもう一度、一から勉強しようと考えていただきたいと思います。
今回は、苦言ばかりで、提言なしのレターでした。

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